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NO.15 島根県国政選挙投票率
 
 この記事 (2003.11.12) について、都合により削除しました。 (2005.8.17)

NO.16 国土地理院「電子基準点日々の座標値」による最近の、電子基準点相対位置経年変化

「電子基準点日々の座標値」から、経年による位置変化を読み取ることができます。下記は、私が
よく使用する電子基準点について、特に「大田」を中心に見た相対位置変化量を示しています。
之は、GPS測量の基線解析で、出発点を「大田」とした場合の、他の電子基準点に結合計算時、
その時期の標準的な、水平方向と高さ方向の閉合誤差を表わすものと推定されます。なお今のとこ
ろ、実際には、水平方向(X,Y成分共に)で3cm以上になることは少なく、又三次元網平均計算した
場合の斜距離の偏差は通常、1〜3cm以下です。
(各電子基準点の各時期の変化量データ‐は、よく使用する電子基準点のページ の各電子基準点
詳細情報に記述したものから引用しています)

点 名 (m) 2003.5.1 「大田」を0に固定 2003.12.1〜5(平均) 「大田」を0に固定
大田 儿 / dX -0.113 0 -0.122 0
兀 / dY 0.178 0 0.203 0
僣 / dH -0.033 0 -0.050 0
赤来 儿 / dX -0.138 -0.025 -0.153 -0.031
兀 / dY 0.146 -0.032 0.153 -0.050
僣 / dH 0.025 0.058 0.009 0.059
江津 儿 / dX -0.096 0.017 -0.092 0.030
兀 / dY 0.141 -0.037 0.152 -0.051
僣 / dH 0.036 0.069 0.030 0.080
石見 儿 / dX -0.107 0.006 -0.122 0.000
兀 / dY 0.142 -0.036 0.152 -0.051
僣 / dH 0.028 0.061 0.012 0..062
出雲 儿 / dX -0.106 0.007 -0.122 0.000
兀 / dY 0.174 -0.004 0.177 -0.026
僣 / dH -0.062 -0.029 -0.071 -0.021
仁多 儿 / dX -0111 0.002 -0.121 0.001
兀 / dY 0.165 -0.013 0.178 -0.025
僣 / dH 0.014 0.047 0.009 0.059

このデータ‐によれば、最近の半年で、大田の電子基準点が東に2cm以上移動し、そのため赤来・
江津・石見の各電子基準点のズレが5cm(西へ)以上です。出雲および仁多のズレの量は、比較
的小さいと言えます。なお点間距離については位置関係によりますので、前記の日々の座標値デー
タ‐により直接計算します。計算しますと、2003年5月の時点で近隣の電子基準点間距離が2cm以
上変化していたのは、赤来・仁多間が、+3.1cm,赤来・出雲間が、+3.3cm、大田・江津間が、+2.0cm
でしたが、同年12月の時点では、赤来・仁多間が、+3.9cm、赤来・出雲間が、+3.2cm、大田・仁多
間が、-2.5cm、大田・江津間が、+2.3cmと、やや歪みが拡大
しました。
今後は、半年毎に、この変化を点検していくことにします。なお実測した場合、閉合差がX,Y成分共
に、約3cm以下、斜距離の偏差は、1〜3cm以下であることが普通で、最近特に増加したという感
じはありません。これはどうした理由からでしょうか。                                 2004.1.2 、1.3  このことについて、次項で少しふれます 2004.1.3

NO.17 NO.16 の続き

一つには、電子基準点の「日々の座標値」と、測地成果2000である「基準点(としての)座標値」とは、
解析の条件や方法が異なり、当初から、それぞれの幾何学的位置関係に歪み(ズレ)があることの
影響です。この当初からのズレは、赤来および仁多で約1cm、大田で約2cm、出雲と江津と石見で
それぞれ約3cm
、あります。実際に解析する時には、基準点用の座標値でしますから、実際の電子
基準点の動きが、それらのズレを打ち消すように働くこともあるし、その逆もあると思いますが、これ
については、別の機会に譲ります。しかし、このこととは別に、上記の変化データ‐をよく見ますと面白
いことに気づきます。別紙の図(1)をご覧下さい。
 この図は、「大田」を中心に各電子基準点の経年による相対位置変化を、非常に誇張したベクトル
で表現しています。(実際には、「大田」も動き、とくに最近の半年に大変動いたことの反射と言う面が
大きいですけれども)
この図を見ますと、「大田」から北部(陸上)ないし東部、つまり、大田・出雲・仁多で囲まれる地域と
その周辺は、比較的動きが小さいですけれども、全体として東西方向に収縮して
いることがわかりま
す。全体に少し小さくなりますが、3点の歪みは小さいと言えます。
次に、「大田」から南部(陸上)、特に、大田、赤来・石見・江津で囲まれる地域とその周辺は、「大田」
を中心として、時計回りに約5cmほど回転しま
した。ですから、他の点も含めた相対位置は、5cm以
上動き、歪みも大きいと言うべきですが、この地域だけで考えますと、動く方向等がほぼ一定(この場
合は回転)ですので、やはり、歪は小さいと言うべきです。
そうしますと二つの地域の重なる、大田・
仁多・赤来で囲まれる地域は、その両方の影響がありますので注意が必要です(実は、この地域に
は正に、最近活火山であることが再認識されたらしい「三瓶山」があります。火山活動に伴う地殻の
変動の影響でしょうか)。GPS測量では、近くの電子基準点を使うべきですが、どの電子基準点を使
えば良いか考えるときの、参考になります。また、経年による歪が小さいことは、それだけ、その地域
の登記基準点等の位置決定精度が高く、良い基準点と言えると思います。
 なお、国土交通省公共測量作業規程に於いて、1級基準点測量の、X方向およびY方向の、前述の
閉合差の許容範囲は、6cm+2cm*ルートN
、H方向では、15cm+3cm*ルートN (; 既知点が電子
基準点のみの場合で、Nは、他の電子基準点に結合する路線の辺数 ) とされています。この6cm
の根拠は、電子基準点の位置誤差(3δ)
とされています。現在では、相対的にしか意味を持ちえませ
んが、相対的には、十分意味を持っていると思います。2cmは、電子基準点の位置誤差(標準偏差)
ですから、実際の閉合差が2〜3cm以下であることは非常に良好な結果と言えると思います。また斜
距離の偏差の許容範囲は、1級基準点の場合、8cmとされていますが、今のところ(もちろん観測条
件にもよります)1〜3cm以下におさまり、良好と言えると思います。
      2004.1.3  2004.1.7  2004.1.9