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NO.7 メンテナンスが終了した電子基準点の内部の写真

 この事について、徳島県公嘱協会のGPS測量委員会より写真提供を受けましたので
 紹介します。                  2003.6.3

NO.8 国土地理院”電子基準点日々の座標値”でみる最近の地殻変動

 私がよく使用する出雲、大田、江津、赤来の各電子基準点の位置(座標値)は、1997年1月
 以来現在までに、東南方向に約20cm移動しました。これは、島根県中央部の地殻の変動
 に因るものです。ただ細かく見ると1〜4cmくらいそれぞれの変動量に差異があり、電子基
 準点間距離も時々、その程度に変動することがあります。20cmの移動は驚きですが、測量
 にとってはむしろ、1〜4cmくらいの変動量の差異が気になるところです。   2003.6.14
  このことについて次々ページ NO.16 を参照ください。 2004.1.2             

NO.9 6月2日電子基準点データリアルタイム送信局445点(局)追加

 島根県内各点もれなくリアルタイム送信局です。実際に私達にデータ‐が配信されるように
 なるには、配信会社の準備の都合で7月前半のようですが、GPS測量がいよいよ手軽に
 できるようになる事は、大変うれしいことです。特に面倒な通信機器を接続しなくても、そこ
 に約1分半から20分、1台のGPS受信機(アンテナ)を設置するだけで、高精度な世界測地
 系に準拠した、登記基準点座標値を得る事ができると思われます。しかも観測終了後ただ
 ちに解析作業に移ることができると思われます。
  ”GPS測量は高価” では無くなります。
                           2003.6.19(2003.6.27) (2003.12.13)

現在、配信会社は2社あり、上記は日本GPSデータサービス(株)の場合ですが、他の1社
(株)ジェノバ の場合は6月2日よりサービスを行なっています。料金的には、こちらの方が多
少お得になるかも。               2003.6.26

NO.10 ”仮想基準点” の品質について の一考察

 6月26日(株)ジェノバ様 のサービスにより、午後2時50分より約1時間、VRSデータ‐を使用
 する、キネマチック測量実験を行ないました。この実験は、私がキネマチック測量自体に不慣
 れのため失敗でしたが、幾つか有益な事もわかりました。(株)ジェノバ様 より提供を受けま
 したのは2時30分から4時までの90分間の、次の2点での仮想観測データ‐です。 

緯度 経度 楕円体高
1 35度12分12.0秒 132度29分13秒 -88335.647 29162.197 43m
2 35度11分57.0秒 132度29分13秒 -88797.870 29163.686 43m
 アンテナ高は、電子基準点と同じ0.110mです。データ取得間隔は1秒です。

 まず成功と言えるのは、本日(6月29日)この2つのデータ‐を近くの3つの電子基準点を基に
 解析してみますと、水平位置で数mm、鉛直で20mmぐらいしか違わなかったと言う事です。
 水平位置の数mmは、三脚の据付誤差よりも少ないです。あるいは電子基準点の位置誤差
 よりも少ないと言う事です。言い換えますと、指定した位置の誤差数mmの所に、”仮想の電
 子基準点”が存在していたと言う事です。

 またもう一つ、当日実際に観測した点の、第一番目の点は、スタチック初期化した関係で約
 20分観測しましたが、是については、どうにか答えが出ました。実はこの点は私が以前電子
 基準点を基に観測していて、それと比較しますと、Xで11mm、Yで15mm、鉛直で64mm差が
 出ました。しかし二つの”仮想の電子基準点”のどちらから解析された座標値も、X,Y共に
 全ったく同じで鉛直が1〜2mm違うだけです。なおこの観測点は、二つの”仮想の電子基準
 点”のどちらからも500m以内のところにあります。また直近の電子基準点からは2.3Kmの
 ところにあります。これらから推測して、”仮想基準点”の品質は電子基準点と同等
 と言えるかも知れません。その上何所にでも”立てる”ことが出来、従って、非常に近くに置く
 ことが出来、また所を選ばないため、
仮想基準点方式の測量は、基準点測量に!、取り
 分け、新点間距離の短い3〜4級基準点測量に、大変有効だと思えます。
   
                                     2003.6.29
関連する実験
6月18日15時10分より17時までの110分の、直近の電子基準点からの距離16.7Kmの位置
の仮想基準点
データ‐により、その点から約200mの所に設置していた基準点をスタチック法
により仮想観測してみました。実際の基準点の観測データーは、6月18日に観測したものです。
水平位置についての結果は、前の実験の時より、多少、良かったです。
なお110分の観測時間を分割して約30分、3セッションでそれぞれ計算してみますと、観測する
時間により、多少バラツキます
X、Yとも最大で10mm)が、これなら悪くないと思います。
しかし、これ以上バラツクといけません。従って、基準点の設置が目的であれば、最低30分の
短縮スタチック測量は必要かも知れません。また三脚を使用するのが適当でしょう。
なお、
指定した位置の数mm以内(鉛直でも20mm以内)に仮想電子基準点がある事は、
今回も確認されました
ので、広域に測量する現場では、近くに正確な基準点(通常5cm以
内の精度を持つ一級基準点)があれば、それらの点に仮想の基準点を置いて、3次元網を組む、
2〜4級基準点測量が有効だと思われます。
ところで、先の仮想観測実験では、
 鉛直方向には、10cm前後の差がでました。この点に関しては前もそうでしたが、
基本的にはGPS測量に於ける鉛直方向の許容範囲内であり、必ずしもどちらが正しいと云う事
ではないと思われます。しかし、計算上標準偏差1〜2cmであることからすると、200mくらいの
基線で10cmは少し大きいような気がします。もう少し事例を重ねて検討してみたいと思います。
(実際に、別の事例では、約2.7Kmの基線で誤差±1〜2cmでした) 
                         2003.7.4(2003.7.5) 2003.10.10